「経絡経穴学を学ぶ理由」

日色



 経絡。10年以上前に流行った「北斗の拳」の中で聞いたことがあるフレーズであろう。
「経絡秘孔を突いた。おまえはもう死んでいる・・・。」というあれである。
 しかし、実際にはあんなふうに爆発する事はない。むしろ、人体にとって害になるばかりか、より健康体にちか付くことができる。鍼灸師である筆者は経絡、経穴(ツボ)に直接触れてその人はどこが悪いのか、どこが病んでいるのかを知る(厳密に言うと診断法は他にも存在する)。そして、経穴に鍼や灸を据える。
 経絡とは「気」が走行する道のことを指す。
「経」とは人体を縦に走る道であり、「絡」とは経と経を結び人体を横に走行する道のことをいう。主要なものを以下に記す。
  
 正経十二経  
  ・手之太陰肺経 ・手之陽明大腸経 ・足之陽明胃経 ・足之太陰脾経 ・手之少陰心経 ・手之太陽小腸経 ・足之太陽膀胱経 ・足之少陰腎経 ・手之厥陰心包経 ・手之少陽三焦経 ・足之少陽胆経 ・足之厥陰肝経 奇経八脈 ・任脈 ・督脉 ・衝脈 ・帯脈 ・陰維脈 ・陽維脈 ・陰きょう脈 ・陽きょう脈
 経別、絡脈、経筋、皮部については割愛させて頂いた。

 主として以上のようなものがあげられる訳だが、伝統医学である鍼灸医学を学ぶ以上、経絡経穴学を知る必要がある。
例えるなら、それは外科医が解剖学を学ぶのと同じ事を意味すると筆者は思う。
解剖を知らない者に手術ができる筈もなく、そんな医者に執刀されたくないのは皆が思うことであろう。
 もし、経絡経穴学に興味をもった奇特な読者の為に専門書を紹介しておく。
 
 ・臨床経穴学(東洋学術出版社)・・・李 世珍著 兵頭 明訳
 ・経別・経筋・奇経療法(医道の日本社)・・・入江 正著
 ・中國針灸經絡通鑒(青島出版社)・・・トウ 良月主編
    

*(改行、校正は編集者によるもので筆者の原文ママではない。)

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