逆子の灸   
光ヶ丘鍼灸院 塩見 誓子・飯田 寿

1.はじめに
逆子の灸は至陰の灸が有効と各学校で学んできました。教える者によって、これに三陰交と湧泉が加わります。各治療院でも至陰や三陰交の灸を実施されていると思われます。
実際に至陰の灸で逆子が治るのか、追試してみることにしました。はじめに至陰と三陰交の灸を試しましたが、治療成績は思わしくありませんでした。そこで明治鍼灸大学、矢野忠教授の方法を元にした治療法を試しました。

2.症例
初診 平成19年7月10日 26歳女性

主訴 逆子

現病歴 産婦人科の超音波検査で29週で逆子と診断された。現在は31週で産婦人科の検査でも逆子が続いている。羊水が少ない、臍の緒が短い、巻き付いている、前置胎盤などの器質的な問題は指摘されておらず、逆子体操を指導されている。

現症状
下肢の冷えと、むくみ。

3.治療法
至陰に半米粒大透熱灸 多荘灸。三陰交に温筒灸(達磨)、仰向けで膝を立て安静30分。
月齢の進んだ者には三陰交の鍼を追加。

4.治療経過
31週目に産婦人科の超音波検査で逆子を確認した後、翌週の32週の検査まで毎日合計6回の治療を行った。32週目の検査で逆子が治っていることが確認され、治療を終えた。


5.考察
治療中から、今までにない大きな胎動を感じ、夜間も胎動が続いた。何度目の治療で治ったかははっきりわからないが短期間で逆子が治ったことから有効性をうかがい知れた。

参考文献
1)矢野忠 妊婦におけるマイナートラブルと鍼灸治療 2006
2)矢野 忠 レディース鍼灸―ライフサイクルに応じた女性のヘルスケア - 医歯薬出版株式会社 2006